カーボンフットプリント(CFP)の算定
産業廃棄物・リサイクル
日本、兵庫県
マツダ株式会社は、「“捨てる”をなくす」を掲げ、廃棄物に関わるさまざまな課題の解決に取り組む環境関連企業です。廃棄物を単なる処分対象とせず、まずは「資源物」として捉える視点から、処理コストの削減とリサイクル率の向上を実現。企業の産業廃棄物処理における適正化を支援し、環境負荷の低減と循環型社会の形成に貢献しています。
マツダ株式会社では以前より、製造・物流過程で使用されたプラスチック包装材(ストレッチフィルム)を廃棄せずに再資源化する取り組みを行っており、廃棄物の削減とリサイクルの推進に注力してきました。特に、三菱食品株式会社と連携した「リサイクルループ」では、使用済みフィルムを回収・再加工し、ビニール袋として再商品化・再納品する仕組みを構築しています。
しかしながら、こうしたサステナビリティ施策の環境効果について、客観的に可視化する手段がなく、社内評価や対外的なコミュニケーションにおいて、再生資源活用の価値を明確に伝える必要性がありました。
Terrascopeは、排出量の可視化・分析を通じて、マツダ株式会社の脱炭素施策の環境効果を定量的に証明し、サプライチェーン連携を含む継続的な改善を後押ししました。
Terrascopeは、マツダ株式会社と三菱食品株式会社の既存のリサイクルループにおける排出量を定量化しました。三菱食品においては、TerrascopeがCCF(Corporate Carbon Footprint)の算定も支援しており、本取り組みはその精度向上やスコープ3の排出量削減の実行可能性検証にも寄与しています。マツダにとっては、自社製品の環境価値を客観的に示す手段となり、サプライチェーン全体での脱炭素連携の深化に貢献しました。
本取り組みは、脱炭素を軸とした企業間協業の実例として、今後のネットゼロ社会に向けた好事例となることが期待されます。
関連事例:三菱食品|気候開示に向けたサプライチェーン排出量の可視化