PRODUCT IMPLEMENTED
コーポレート・カーボンフットプリント(CCF)
COMPANY SIZE
世界30カ国超でプロジェクトを展開
6拠点で従業員400名超
主な成果
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15週間での迅速なインサイト創出:スコープ1・2・3排出量を15週間で測定し、削減戦略の確かな基盤を構築。
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ネットゼロに向けた共創を促進:移行計画を策定し、OhmiumのSBTi(Science Based Targets initiative)提出要件への対応を支援。
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費用対効果の高い排出削減施策を10件特定:製品効率の向上や、顧客との再生可能電力導入に関する協働など、実行性とインパクトの高い施策を明確化。
Ohmiumについて
Ohmiumは、モジュール式でスケーラブルなPEM(プロトン交換膜)電解装置を設計・製造・導入することで、コスト競争力のあるグリーン水素の製造を可能にする企業です。同社の電気化学ソリューションは、産業・輸送・エネルギーなどさまざまな分野において、顧客のサステナブルなエネルギー目標の達成を支援しています。
本社を米国に、製造拠点をインドに構え、世界各地で事業を展開。現在、3大陸にまたがる2GW超のグリーン水素プロジェクトのパイプラインを保有しています。
課題
地球規模の気候変動対策への取り組みの一環として、Ohmiumは脱炭素計画の策定を目指していました。社内ではすでにスコープ1および2の排出量を測定していたものの、スコープ3の測定は今回が初の試みでした。
同社はTerrascopeをパートナーに選定し、スコープ1〜3を網羅する正確かつ実行可能な排出量測定の計画を構築。あわせて、脱炭素戦略の策定にも着手しました。
Terrascopeのソリューション
OhmiumはTerrascopeをパートナーに迎え、主要な排出源を可視化し、脱炭素に向けた実行可能な計画の構築に取り組みました。両社の協業は、次の2つの領域に重点を置いて進められました。
01. カーボンフットプリントの包括的測定
Terrascopeは、Ohmiumのスコープ1・2・3の排出量を網羅的に評価。15週間でデータギャップを解消し、脱炭素戦略の基盤となるベースラインを構築しました。
分析の結果、スコープ1・2の排出量は最小にとどまり、その主な要因は車両のディーゼル燃料使用と系統電力の消費でした。一方、スコープ3は全体の98%以上を占めており、最も大きな削減インパクトを生み出す可能性があることが明らかになりました。
02. SBTi目標設定ワークショップ
Terrascopeは、SBTi(Science Based Targets initiative)のフレームワークに対する社内理解を深めるため、3回にわたるワークショップを実施。Ohmiumが気候関連目標に整合する脱炭素戦略を自ら策定・評価・優先順位づけできるよう支援しました。
その結果、Ohmiumのチームは、スコープ1・2・3すべてを対象とする期限付きの排出削減アクションプランを作成。各施策については、実現可能性、事業目標との整合性、投資要件などを総合的に評価しました。
スコープ1・2では、車両フリートの電動化や施設の再生可能電力への切り替えが主要な対策として検討されました。より複雑なスコープ3では、製品のエネルギー効率向上、リサイクル材の活用、サーキュラーエコノミー・プログラムの立ち上げなど、多角的な戦略を策定しました。
Terrascopeは、限界削減費用曲線(MACC)を活用してこのプロセスを支援。コストパフォーマンスに優れ、最もインパクトのあるアクションを可視化することで、Ohmiumが優先的に取り組むべき施策を明確化することができました。
Ohmiumにもたらされた価値
OhmiumはTerrascopeとのパートナーシップにより、以下の価値を実現しました。
15週間でインサイトを迅速に獲得
Terrascopeは15週間でOhmiumの包括的な排出量測定を完了し、脱炭素ロードマップの基盤を築きました。これにより、同社は科学的根拠に基づく目標(SBTi)の設定と、ネットゼロ目標に向けた実行可能なステップの開始が可能になりました。
高インパクトな脱炭素アクションを10件特定
戦略的なMACC(限界削減費用曲線)分析およびワークショップを通じて、Terrascopeは費用対効果の高い10件の脱炭素アクションを特定。これには、製品効率の向上や、顧客との再生可能エネルギー導入に関する協働などが含まれます。
ステークホルダーを巻き込んだネットゼロ戦略の共創
Terrascopeは部門横断のワークショップをファシリテートし、Ohmiumの各部門のステークホルダーが脱炭素に向けた選択肢を理解し、主体的に戦略づくりに関わることを支援しました。これにより、社内のサステナビリティ推進体制の強化にも貢献しました。