こんにちは、マーケターのアミーゴです。
この連載「コンパス」では、脱炭素をめぐる複雑なルールや動きを、企業の実務目線で整理する羅針盤としてお届けしています。
今回は、まもなく公開される GHGプロトコルの新基準「土地セクターおよび炭素除去(Land Sector and Removals:LSR)」 について取り上げます。
最初に、Terrascope サステナビリティ部門責任者 Liaのメッセージ動画をご覧ください。
目次
GHGプロトコルは、土地セクターおよび炭素除去(LSR)基準を、今月末に正式公開する予定です。
世界の温室効果ガス排出量の約25%は、森林減少や農業慣行といった土地利用に起因する排出だと言われています。にもかかわらず、これまで多くの企業では、土地由来の排出量が十分にGHG排出量算定に反映されていませんでした。
この状況が、いよいよ変わろうとしています。
参考:
LSRGとは?CSOが知っておくべきGHGプロトコル新ガイダンスの影響と対応策
今回の動きで、特に重要なのが名称の変化です。
ドラフト段階では
「Land Sector and Removals Guidance(LSRG)」と呼ばれていましたが、正式版では
「Land Sector and Removals (LSR)Standard」になります。
GHGプロトコルにおいて「Standard(基準)」とは、“shall”で定義される義務要件を意味します。
つまり、対応は推奨ではなく、原則として必須になるということです。
公式サイト:
Land Sector and Removals Standard|GREENHOUSE GAS PROTOCOL
この基準が影響するのは、農業や一次産業に近い企業だけではありません。
食品・飲料、天然繊維を扱うアパレル、宿泊・観光業、小売、製造業など、サプライチェーンのどこかに土地由来の原材料調達が含まれる企業全般が対象となります。
たとえ自社が「農場から遠い立場」にあったとしても、土地由来の活動がわずかであっても、GHG排出量算定の中で無視できなくなる時代が来ています。
LSR基準の文書は、400ページを超える分量になる見込みです。実務担当者の多くが、「すべてを読み切る時間がない」という状況にあるのも事実でしょう。
だからこそTerrascopeでは、1月30日に公開後、迅速な分析と整理を行い、エグゼクティブ向けの解説として情報をお届けする予定です。
業界別に、
を、実務に落とし込める形で整理していきます。
LSR基準の登場は、「土地由来排出は一部の企業の話」という前提を覆す出来事です。
脱炭素の議論は、測れるもの・報告できるものが増えるほど、経営判断に近づいていく。
その変化を正しく理解し、早めに備えることが、これからの企業価値につながります。
次回以降も、この連載「コンパス」で、LSR基準のポイントや実務への影響を引き続き解説していきます。
参考:
LSRGが企業実務に与える影響:追証性・データ共有・炭素除去の新要件をわかりやすく解説
LSRGとSBTi FLAGをわかりやすく解説:関係性・企業が押さえるべき最新ポイント