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世界の主要カーボンマネジメントプラットフォーム12選

作成者: Terrascope Team|2025/58/12

 

調査手法

本レポートは、以下の基準を満たすプラットフォームを対象としています:

  • 過去12〜18か月の間に、Forrester、IDC、Verdantix、Gartnerなどの独立系アナリストファーム2社以上から、該当分野(例:サステナビリティ管理ソフトウェア、カーボンアカウンティング&マネジメント、スマート・イノベーター、ESG/サステナビリティ報告)において有力プレーヤーまたはリーダーとして評価された実績がある。

  • 北米、アジア太平洋、ラテンアメリカ、欧州を対象とした公開事例を通じて、グローバルでの提供実績が確認できる。


プラットフォーム分類:カーボンファースト型 vs ESG統合型

本題に入る前に、市場でしばしば曖昧になる重要な区別について明確にしておきましょう。それは、カーボンファースト型プラットフォーム(IDCでは「Tech-for-Sustainability」とも表現)と、より広範なESG・サステナビリティ統合ソリューションの違いです。

カーボンファースト型プラットフォーム

これらは主に、スコープ1・2・3全体を通じた温室効果ガス(GHG)の測定・管理・削減に特化しています。強みは、データ収集と統合、排出係数の適用、脱炭素化モデリング、サプライヤーとの連携など。運用サステナビリティ部門や気候戦略チームによる精緻なカーボンアカウンティングとアクションプラン策定に最適です。代表的なプラットフォームには以下が含まれます。

これらは主に、スコープ1・2・3全体を通じた温室効果ガス(GHG)の測定・管理・削減に特化しています。強みは、データ収集と統合、排出係数の適用、脱炭素化モデリング、サプライヤーとの連携など。運用サステナビリティ部門や気候戦略チームによる精緻なカーボンアカウンティングとアクションプラン策定に最適です。代表的なプラットフォームには以下が含まれます。

  • Watershed Technology
  • Sweep
  • Normative
  • Terrascope
  • Persefoni

これらはいずれも、スコープ3データの品質向上や脱炭素化対応力の高まりに応じて登場した新世代のソリューションです。

ESG統合型プラットフォーム

一方、ESG報告やサステナビリティ管理スイートとして知られるこれらのソリューションは、カーボンアカウンティングを機能の一部として提供しています。CSRD、ISSB、SEC気候開示規則などに対応するための規制対応、マテリアリティ評価、パフォーマンス管理、監査対応、財務統合などの機能が組み込まれています。代表的なプラットフォームは以下です。

  • Wolters Kluwer
  • Sphera
  • IBM Envizi
  • Salesforce(Net Zero Cloud)
  • Microsoft

実際には両方を使い分ける企業も

多くの大手企業では、精度の高い排出管理にはカーボンファースト型を使用し、報告・開示対応にはESG統合型を活用するなど、両者を併用しています。ベンダーの位置づけを理解することで、自社の優先事項(データ品質、ネットゼロ達成、開示対応)に沿った選定が可能となります。

12プラットフォーム一覧(アルファベット順)

ベンダー 強み カテゴリー 価格帯*
IBM Envizi
  • データ収集と品質管理に強み
  • 主要フレームワークに対応した成熟したレポーティング機能
  • ERP/BI連携力とエンタープライズ展開実績
ESG統合型 $$$

Microsoft

  • Azureエコシステムとの高い統合性
  • データ取り込み・AI分析が強力
  • グローバルESGデータの統合管理に最適

ESG統合型

$$$

Normative

  • スコープ3における高度な会計処理
  • 直感的なUIと気候に関する専門知識
  • 迅速で柔軟な導入が可能

カーボンファースト型

$$

Persefoni

  • 監査・コンプライアンスおよびROIにおいて高評価
  • 投資家向けの開示と保証ワークフローに強み
  • 財務統合と報告準備力に優れる

カーボンファースト型

$$$

Salesforce (Net Zero Cloud)

  • Salesforce製品群との連携によるエンタープライズ対応
  • ESGとカーボンワークフローを標準搭載
  • 豊富なエコシステムとレポーティングツール

ESG統合型

$$$

SAP

  • ERPおよび企業システムとの高い統合性
  • 成熟したコンプライアンス対応と開示機能
  • グローバルなスケールに対応したデータ管理力

ESG統合型

$$$$

Sphera

  • BI・分析機能が高度でシナリオモデリングにも対応
  • EHS統合により複雑な業種にも強み
  • カスタマイズ性と規制対応が高水準

ESG統合型

$$$$

Sweep

  • 柔軟かつモダンなカーボンプラットフォーム
  • サプライヤー連携とROIモデリングのセキュアな機能
  • 高速な改善サイクルと脱炭素化ワークフロー

カーボンファースト型

$$

Terrascope

  • サプライチェーンモデリングとデータ統合に強み
  • FLAG分野など特定領域に特化したAI分析機能
  • 迅速な導入とモダンなUI/UXX

カーボンファースト型

$$

Watershed Technology

  • 情報分析とESG戦略において高評価
  • 排出削減シナリオのモデリングとレポート対応力に優れる
  • 優れたUXとブランド浸透力

カーボンファースト型

$$$

Wolters Kluwer (Enablon / CCH Tagetik)

  • 規制対応とデータ品質に高い整合性
  • パフォーマンス管理が成熟
  • 信頼性の高いコントロールと保証機能を提供

ESG統合型

$$$$

Workiva

  • 報告および開示機能が強力
  • 財務ワークフローと保証プロセスとの連携に優れる
  • 高いコラボレーション機能と監査証跡

ESG統合型

$$$


*価格帯(企業契約における参考レンジ)
$         :年間 5万ドル未満
$$      :年間 5万~15万ドル
$$$    :年間 15万~30万ドル
$$$$ :年間 30万ドル超

 

今後の展望

数多くの選択肢が存在する中で、CSO(Chief Sustainability Officer:最高サステナビリティ責任者)が最適なカーボンマネジメントプラットフォームを選ぶには、どのような視点が求められるのでしょうか?