こんにちは、マーケターのアミーゴです。
この連載「コンパス」では、脱炭素を目指す企業の皆さんに役立つ情報をお届けします。
温室効果ガス(GHG)会計の“二本立て”だったISOとGHGプロトコルが正式に手を組み、統一のフレームワークづくりを開始。企業の算定・開示は「共通言語」へ収れんしていきます。このブログでは、2025年9月に発表された連携について整理します。
目次
何が起きた?2025年9月の戦略的連携の要点
2025年9月9日、ISOとGHGプロトコルは、既存規格の調和と共同ブランドによる統一フレームワークの策定に着手すると発表しました。
対象はISO 1406Xシリーズ(ISO 14064/14067 など)とGHGプロトコル(企業算定・報告/スコープ2/スコープ3)で、企業・製品・プロジェクト各レベルのGHG会計を網羅します。あわせて、製品カーボンフットプリント(CFP)の共同規格づくりにも取り組むとしています。
現時点で具体的な適用時期は未公表です。続報で移行ガイダンスが示される見込みです。
公式発表・参考リンク
企業へのインパクト
GHGプロトコルとISO 1406Xシリーズの統合は、技術的厳密さ・政策的妥当性・実用性を一つに束ね、世界的普及と実効的な排出削減を後押しします。
このニュースを受け、弊社CEO Felipe Daguilaは自身のLinkedinにおいて次のようにコメントしています。
これは、企業・製品・プロジェクトの各レベルをカバーする共同ブランドの統一フレームワークの始まりを意味します。報告の効率化、指標の整合化、そしてネットゼロ達成に向けた前進の加速を狙いとしています。
サステナビリティチームにとっては、次のことを意味します。
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GHG報告の共通グローバル言語化
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報告負担と混乱の軽減
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投資家・監査人・政策担当者・企業にとって一貫性があり検証可能なデータの提供
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これは、世界の気候変動責任における真のマイルストーンであり、朗報です。
GHGプロトコルとは?ISO 1406Xシリーズとは?
ISO規格とGHGプロトコルは世界中で広く採用されています。
そもそも「GHGプロトコルって何?」「ISO 1406Xシリーズって何?」という方へ向け、関連するTerrascopeの人気記事をご紹介します。
まとめ
今回の発表は、ISO 1406XシリーズとGHGプロトコルを軸に、製品CFPを含む統一フレームワークの策定が動き出したというものです。企業にとっては、指標・用語の共通言語化により重複対応が減り、データの比較可能性とアシュアランス対応が前進します。コンパスでは、適用時期や移行ガイダンスの続報をキャッチし次第、実務に直結する観点でアップデートをお届けしていきます。