将来性のある サプライチェーン構築: MCアグリアライアンス
MCアグリアライアンスは、三菱商事と Olam の合弁会社で、コーヒ ー、ココア、ナッツ、乾燥野菜、スパイス、ゴマ、油脂などを日本に 輸入し販売しています。 MCアグリアライアンスは、 Olam が世界中 に持つ「サステナブル」な農産物および食品のサプライ チェーン ネッ トワーク、そして三菱商事の日本における広範な流通および販売ネッ トワークを組み合 わせた企業です。

サステナブルな取り組み
MCアグリアライアンスは、高品質で「サステナブル」な製品を人々 に提供するために、原材料の調達から流通まで、サプライチェーン全 体で「サステナブル」な取り組みを行っています。「サステナブルな製 品」への需要が高まるにつれて、将来的にはさらに多くの人々が商品 を購入する際に「環境に配慮した選択」をすることでしょう。そうい った未来の社会に備えるために MCアグリアライアンスは「環境維持 に重点を置いた」未来のサプライチェーンの構築を目指しています。
スコープ3排出量
サプライチェーンからの間接的な温室効果ガス排出を指す「スコープ 3 排出量」は、大企業の総排出量の 85% 以上を占めています。そこ で MCアグリアライアンスは、「スコープ 3 排出量」に焦点を当てる ことで全体的な排出量を削減する事ができると考え、スコープ 3 の排 出量を把握し、アクションプランを策定する事を目指しました。
Terrascope プラットフォーム
「スコープ 3 排出量」を削減するため、MCアグリアライアンスが採 用したのは Terrascope です。Terrascope とは、SaaS 炭素測定・ 管理プラットフォームで、「スコープ 3 排出量」を包括的に測定、お よび管理する為に非常に優れたツールです。MCアグリアライアンス は、Terrascopeを利用することで、生データの取り込みが容易にな り、その高度な「自然言語処理」および「機械学習」を使用すること で、活動データと関連する排出係数を自動的に照合する事が可能にな りました。また、Terrascopeには非常に使いやすいダッシュボード が搭載されており、次のステップを計画するための「排出ホットスポ ット」の特定、及び「削減シナリオのシミュレーション」をする事が できます。
排出量削減のためのサプライチェーンの最適化: 実例s
MCアグリアライアンスは Terrascope の「排出量削減 シミュレーション」機能を利用することにより、原材料 の調達ルートと加工方法を変更し、排出量を削減する機 会を発見しました。 下記のように、アフリカから原材 料を調達する際の2 つのシナリオが浮かび上がってきま した。:
シナリオ 1: 原材料をアフリカから直接日本に出荷し、 日本で加工する。g.
シナリオ 2: 原材料をアフリカからシンガポールに出荷 し、シンガポールで加工した後、日本に 運ぶ。
「シナリオ 2 」を遂行した場合、MCアグリアライアン スの排出量は 25% 近く削減される可能性があるという 結果が出ました。 シンガポールは「天然ガス」を主な 動力源としているため、電力の排出係数が日本に比べて 低く、加えて、加工後の原材料は加工する前に比べて軽 量化するので、輸送の際の排出量を更に抑えることがで きます。
この例からも分かるように、Terrascope のデータ粒度 、及び Terrascope チームの「サステナビリティー知 識」は、より「持続可能」なサプライチェーン、物流管 理オプションを構築する際に非常に重要な役割を果たし ます。
今後の見通し
MCアグリアライアンスは、今後も Terrascope を利用 し、反復可能で洗練された排出量の測定 プロセスを継 続していく予定です。自社の「排出データ」をより広範 囲な組織と共有する際も、 Terrascope のダッシュボ ードを使えば簡単に共有することができます。 同社は また、Terrascope の専門家と協力し、サプライチェー ンを深く掘り下げ、GHG排出量がより少ない農園や物 流ルートを組み合わせ、顧客のScope3排出量削減にも 取り組む予定です。
要点
サプライチェーンの中で最適化が必要な部分を特定し見 直すことで、将来性のあるサプライチェーンを構築する 事が可能である。
定期的な報告と開示のため、反復可能で拡張性の ある「排出量測定プロセス」を構築する事が可能。