様々な製品の カーボンフット プリント測定

Terrascope の分析により 明らかになったポッカのサ プライチェーンと、サステ ナブルな原料調達に 向けた施策

100 分で 4,980 SKU(製品) の排出量の概算を完了

Rex Macaskill-1始めに 

シンガポールとアジア太平洋において大手飲料会社であ るポッカは、イノベーションとサステナビリティに対し 継続的に注力していることで知られています。 サステナ ブルな取り組みの一環として、同社は最近、サステナブ ルを推進するために新たな組織を発足し、建物、製造施 設、部品、流通、物流、新しい加工方法とビン容器原料 に最先端の技術を使い、改善に取り組んでいます。 同社 は従来より、より良い原料調達の為にCO2の測定と削減 に取り組んでいました。 ポッカでは、会社全体における 「スコープ 3」測定システムを導入することで、自社の サプライチェーン、特にパッケージングからの影響をよ り深く理解したいと考えていました。 同社は先行してサ ステナビリティに取り組む大手飲料会社として、他社と の差別化を図ることの重要性を理解しており、将来のサ ステナビリティに配慮した消費者のニーズに更に応えて いけるよう備えていきたいと考えていました。

課題 

同社が直面した課題の 1 つは、自社のカーボンフットプリントを包括的に理解することでした。同社はこれまでスコ ープ 1とスコープ 2の排出量の測定を実施してきたものの、スコープ 3を含めた全体の排出量は把握していませんでし た。企業の排出量の85% 以上を占める「スコープ3排出量」は主にサプライチェーン内の間接的な排出によるもので あり、その複雑なオペレーションやサプライチェーン、またデータの不足から、これを概算するのは非常に困難でし た。 さらに、「スコープ3排出量」を概算するためには、複数の設備やさまざまなソースからデータを収集し分析す る必要があります。

同社はまた、複数の種類の製品を流通している事による、サプライチェーン特有の課題に直面していました。同社が 流通している製品の種類は以下の通りです。

• 同社が全製造工程を担っている製品a
• 同社が原料を輸入し、製造のために OEM 先へ輸出している製品。
• 同社が最終製品を輸入して、そのまま流通させている製品。

サプライヤーからの製品に関する排出係数データが不足していたため、同社は、排出量を正確に計算するために、 製品を原材料と製造プロセスに分解し、計測する必要がありました。 

Ingesting Data-1

データの取り込み

ポッカは、自社のCO2を測定・マネージするプラットフォームとし Terrascope を採用し、 Terrascope は同社がCO2排出量を測定、マネ ージ、最適化するための計画を策定しました。複数の施設からさまざまな 形式で提供されるデータは非常に複雑であったため、 Terrascope は、サ プライヤー側よりデータを集め、その関連性を理解し、データが不足して いる箇所は Terrascope 独自の機械学習機能を利用して補完しました。

3 週間ほどの内にデータの取り込みが完了し、同社が行っていた通常の手 動によるプロセスよりも、約 5 倍速く、拡張性があり、簡単に繰り返し 使う事が出来るTerrascopeプラットフォームの利用を開始しました。

5 times faster Data Ingestion-1

* 加工食品業界の約 700 SKU のサンプルデータ を使用したテストに基づいています。

Understanding cradle to gate measurement-1製品単位のCO2排出量

ポッカならではの直面した課題は、自社製造以外の製品の 排出量の算定でした。同社が輸入して流通させた最終製品 や第三者の製造のために輸出入された原材料などです。 これらは製品レベル、または SKU レベルの排出量データ が不足していた事により、スコープ 3 排出量の全体像を 把握することが困難でした。そこで Terrascope は製品 レベルのカーボンフットプリント測定に取り組み、 各 SKU の製品単位のCO2排出量を明らかにするために、 Cradle to Gate(ゆりかごからゲートまで、つまり製品 の原料生産から製品が工場から出荷される迄) の排出量を 計算しました。Terrascope の マシンラーニング( 機械 学習アルゴリズム)を使用して製品やパッケージの構成要 素を分解し、各構成要素を最も関連性の高い排出係数と一 致させるという方法です。 実際のサプライヤーデータ**と 比較したところ、1製品あたりの上流側での工程における 排出量を 92% 以上の精度で推定し、100 分以内で約
5,000 SKU の排出量を算出する事ができました。同社は Terrascope の製品レベルのカーボンフットプリント の測定 を通じて、自社のサプライチェーンとその排出要因の全体像を理解することができました。 また同社は、サプライヤー から排出量の詳細データを受け取っていなくても、各製品のCO2排出量を正確に測定することを実現しました。

Product Carbon Footprint-1

自社が製造していない製品の 排出量のマネージ

同社が、全ての製造を管理していない製品の排出量を 把握することは困難でしたが、これらの排出量をマネ ージして実際に削減することは更に困難でした。しか し、Terrascope を利用することで、流通する製品の 排出量を直接コントロールできないのに関わらず、 自社全体の排出量のマネージについてより深堀すると 共に、マネージに向けた数々の気づきを得る事ができ ました。

パッケージに着目

ポッカが購入し、最終製品として流通させた製品にお いては、製品自体ではなく、パッケージングからの排 出量が最も多いという事がわかりました。(例:缶の シュリンクラップ(包装用プラスチックフィルム)な ど) Terrascope はより少ないCO2排出量でパッケ ージングを行うためのさまざまなシナリオの分析を提 供する事で同社をサポートしました。これらの取り組 みが、同社は、排出要因や排出量削減の可能性など、 自社のサプライチェーンの全体像をより理解すること に繋がりました。

** 加工食品業界の約700 SKU のサンプルデータを使用した テストに基づいています。

材料と土地利用の見直し

ポッカが輸入し、流通する製品の一部では、排出量の大 部分が特定の原材料に関連しています。興味深いことに 、農園での生産によるプロセスが、排出要因の上位3つ のうちの1つであることが分かりました。農園で生じる 土地利用の変化、即ち林地を農地に転換する事により追 加計上する必要がある排出量が原因です。この事実が明 らかになった事で同社は自社の原料調達戦略の一部を見 直し、土地利用による排出量の少ない地域からの原料調 達を更に評価するようになりました。

TERRASCOPE ソリューションの価値

強固なオペレーション構築 

Terrascope のソリューションは、ポッカが自社のカ ーボンフットプリントをより広範囲で理解するだけで なく、より強固なオペレーションの構築に重要な役割 を果たしました。自社のCO2排出量とサプライチェー ンをより広範囲に理解することで、同社は排出量の削 減機会を見つけ、より強化なサプライチェーンを今後 構築することが出来るようになります。

チームの生産性

5x Faster Measurements-1

Terrascope を利用し、手動での作業より5倍の速さ でデータを取り込むことによって、以前はデータの収 集とレポート作成に費やされていたチームの貴重な時 間とリソースを他の重要なタスクに使うことができま す。 CO2排出量とサプライチェーンを詳細かつ正確 に把握することで、サステナビリティチームはより改 善が必要な部分に集中し、サステナブルな未来に向け てより効果的で戦略的な決断を下すことができるよう になりました。

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