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CO₂削減

大手スーパーマーケットチェーン: 冷媒・電力データを活用し、データに基づくGHG排出量削減を実現

シンガポール最大手のスーパーマーケットチェーンであるフェアプライスグループは、約570拠点の電力・冷媒データをTerrascopeで一元管理。請求書データ自動抽出、排出量変化の要因分析を活用することで、数か月を要していた手作業によるGHG排出量算定から脱却しました。店舗単位で排出量を可視化し、優先すべき削減施策を明確にしています。

FairPrice Group supermarket interior with shoppers and fresh produce — Terrascope case study hero image.
まとめ
  • 課題: 2030年までにScope 1・2のGHG排出量を50%削減する目標の達成に向けて、数百の店舗・複数の業態にまたがる手作業でのデータ収集を効率化し、データ精度を向上させる必要がありました。
  • ソリューション: Terrascopeは、請求書PDFの自動抽出、高度な分析機能、排出量変化の要因分析を組み合わせ、Scope 1(冷媒)とScope 2(電力)の排出量を店舗単位で一元管理できる環境を構築しました。
  • 主な成果: Scope 1では冷媒由来排出が主要な排出源であり、Scope 2では店舗形態によって電力使用量に大きな違いがあることが判明しました。これにより、冷媒転換や省エネ投資を優先すべき店舗を明確に特定できました。
  • 導入効果: 数か月を要していた手作業による排出量算定を自動化し、店舗単位で継続的にGHG排出量を管理できる体制を構築しました。また、前年比の変化を冷媒転換、保守・メンテナンス改善、店舗構成の変化など要因別に分析できるようになりました。
  • ビジネス価値: 複数年にわたる信頼性の高いデータ基盤を構築し、Scope 1・2のGHG排出量削減目標に対する進捗を継続的に管理できるようになりました。

フェアプライス グループについて

企業規模

拠点数:約570拠点
従業員数:約13,000名

本社

シンガポール

業種

食品・食料品小売

導入ソリューション

請求書・インボイス自動抽出
企業カーボンフットプリント (CCF)
製品カーボンフットプリント (CFP)
サプライヤーエンゲージメント
削減施策管理

フェアプライス グループは、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、フードコート、ドラッグストアなど、多様な業態を約570拠点で展開するシンガポール最大の小売グループです。毎日約100万人の顧客が利用しており、2030年までにScope 1・2のGHG排出量を50%削減し、2045年までに事業活動におけるネットゼロを達成する目標を掲げています。

同グループの排出量は、大きく2つの要因によって構成されています。Scope 1では、冷媒ガスの漏えいによる排出が事業活動に伴う直接排出の大部分を占めています。一方、Scope 2(購入電力)は、店舗の冷凍・冷蔵設備、照明、空調設備(HVAC)の電力需要により、Scope 1・2全体の排出量の約半分を占めています。

脱炭素戦略の一環として、フェアプライス グループは、新規出店および改装するすべての店舗で、低GWP(地球温暖化係数)冷媒システムへの切り替えを進めています。採用しているCO₂(R744)冷媒システムは、地球温暖化係数(GWP)が1の自然冷媒を使用しています。一方、従来使用していたR404Aは、GWPがCO₂の約4,000倍に相当するHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒です。この切り替えにより、万が一冷媒が漏えいした場合でも、温室効果ガス排出を大幅に抑えることができます。また、CO₂冷媒システムはエネルギー消費量や冷媒コストの削減にもつながり、環境面・経済面の双方でメリットをもたらしています。

Scope 1・2を効果的に管理するには、店舗単位で排出量を把握することが不可欠です。そこでフェアプライス グループはTerrascopeを導入し、グループ全体のGHG排出量を統一的に可視化し、削減施策の優先順位を判断できる体制を構築しました。

数字に確信を持てたからこそ、行動に移せる

「スピードはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは、算定した数字を信頼できることです。私たちは今、その数字に確信を持って行動できるようになりました。また、店舗単位で排出量を把握できるようになったことで、どこに取り組めば最も大きな削減効果が得られるのかが明確になりました。こうした具体的なデータは、ステークホルダーへの説明においても大きな価値を持っています。」

Fairprice Group official logo

 

課題

フェアプライス グループでは、数百の拠点、多様な業態、複数のデータ管理者にまたがる手作業でのデータ収集を行っていました。そのため、多くの時間と労力を要するだけでなく、データの精度や信頼性の確保も課題となっていました。

Terrascope導入前は、サステナビリティチームがGHG排出量の基準値(ベースライン)を手作業で作成していました。担当者は、電気料金の請求書を1枚ずつ確認し、使用量をスプレッドシートへ入力したうえで、異なる請求書フォーマットや請求期間のデータを突き合わせていました。この作業には数か月を要し、人的ミスも発生しやすく、店舗数の増加に伴って毎年同じ作業を繰り返す必要がありました。

Scope 1(冷媒)では、冷媒削減の取り組みがどれだけ効果を上げているかを継続的に把握する必要がありました。しかし、データは複数の保守・メンテナンス会社に分散しており、それぞれ報告フォーマットが異なるうえ、冷媒の種類や設備構成、対象拠点もさまざまで、全体を一元的に把握することが困難でした。

Scope 2(購入電力)では、各店舗の電力使用量が個別の請求書PDFで管理されており、請求期間やフォーマットも統一されていませんでした。

こうした課題を解決するため、サステナビリティチームは、Scope 1・2のデータを店舗単位で一元管理し、継続的かつ正確に把握できるプラットフォームを必要としていました。これにより、公表したGHG排出量削減目標の進捗を、実際の事業活動に基づいて継続的に管理できる体制の構築を目指していました。

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Terrascopeのソリューション

1. 請求書PDFの自動抽出

Terrascopeはフェアプライス グループと共同でBill & Invoice Extractorを開発し、数千件の電力料金請求書(PDF)を取り込み、店舗単位で電力使用量を自動抽出して Scope 2排出量を算定しました。これまで数か月を要していた手作業によるスプレッドシート管理は、再現性・監査性のある自動プロセスへと置き換えられました。 高い抽出精度により、人的ミスのリスクも大幅に低減しました。

手作業による請求書処理を、自動化で効率化

「これまで電力料金の請求書のデータ抽出や照合作業は、多くの手作業を必要とし、時間がかかるうえ、ミスも発生しやすい業務でした。自動化によってこのプロセスを大幅に効率化できたことで、担当者は手作業ではなく、データ分析や削減施策の検討といった、より付加価値の高い業務に注力できるようになりました。」

Fairprice Group official logo

この自動化により、店舗単位のScope 2データを継続的かつ正確に取得できるようになり、店舗形 態や立地ごとのエネルギー使用量を比較し、省エネ施策の優先順位を判断できるようになりまし た。 また、Terrascopeの自動抽出機能により、Scope 2排出量の算定頻度は年1回から半年ごとへ移行し、継続的な排出量管理が可能になりました。

2. 店舗単位での可視化

Scope 1・2データを店舗単位で統合し、排出量を一元管理。

Scope 1では、複数年にわたる冷媒補充データを店舗ごとに統合し、冷媒ごとの排出係数を適用し て算定しました。高GWP冷媒(R404Aなど)と低GWP冷媒(CO₂(R744)など)を区別し、それぞれ適切な係数を適用することで、冷媒由来排出量の大きい店舗や優先的に転換すべき店舗を特定 しました。

Scope 2では、店舗ごとの電力使用状況を可視化し、店舗形態や立地ごとのエネルギー使用量を比 較できるようになりました。

フェアプライス グループがTerrascopeを選んだ理由は、電力と冷媒という異なる排出源を、店舗単位で一元管理できることでした。これにより、排出量を報告するだけでなく、どの店舗でどの施策を優先すべきかを判断できるデータ基盤を構築できました。

3. 前年比較による効果検証

フェアプライス グループでは、公表しているサステナビリティ目標の達成に向けて、削減施策が実際にどれだけ効果を上げているかを継続的に把握する必要がありました。

Terrascopeは、前年比の排出量を比較するだけでなく、その増減を要因ごとに分析しました。具体的には、R404AからCO₂(R744)への冷媒転換、冷媒漏えいを抑える保守・メンテナンスの改善、店舗の新規出店・閉店、特定店舗における冷媒補充量の増加など、それぞれが排出量に与えた影響を可視化しています。

これにより、一時的な変動と継続的な改善を区別できるようになり、削減施策が期待どおりの効果を発揮しているか、あるいは見直しが必要かを判断できるようになりました。

また、店舗ごとの排出量データと冷媒転換の進捗を把握できるため、削減目標に対する取り組み状況を高い精度で管理しています。

現在、R404Aをはじめとする高GWP冷媒は世界的に規制が強化されています。シンガポール環境庁では、業務用冷凍・冷蔵設備で使用する新規冷媒のGWPを150以下に制限する規制案が検討されています。フェアプライス グループは、こうした規制に先行して低GWP冷媒への転換を進めることで、将来の規制にも対応できる体制を構築しています。

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導入効果

フェアプライスグループは、Terrascopeの導入により、数か月を要していた手作業による排出量算定から脱却し、店舗単位で継続的にGHG排出量を管理できる体制を構築しました。

数千件に及ぶ電力料金請求書(PDF)の自動処理により、データ収集を大幅に効率化するとともに、Scope 1・2排出量を店舗単位で一元管理。前年比の排出量変化を要因ごとに分析することで、優先的に取り組むべき削減施策を特定できるようになりました。

また、複数年データセットを構築したことで、推移分析や排出係数更新時の再計算、前年比較を効率的に実施できるようになり、ネットゼロ目標の進捗管理を支えています。


請求書PDFの
自動抽出


店舗単位での
分析

排出量変化の
要因分析

半年ごとの算定

数千件の電力料金請求書を自動処理し、数か月かかっていた手入力作業を削減

すべての店舗について
Scope 1・2排出量を算定・比較
前年比の変化を要因別に分析し、優先的に取り組むべき施策を特定 Scope 1・2排出量の算定を年1回から半年ごとへ移行し、迅速な意思決定を支援

 

複数の店舗や事業拠点におけるGHG排出量管理でお困りではありませんか。

Terrascopeは、排出量の可視化から削減施策の優先順位付け、その効果の継続的な把握まで、一つのプラットフォームで支援します。

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