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顧客事例

Sime:工数を増やさず、GHG・廃棄物・水のデータ量を10倍以上に拡大

SimeはTerrascopeを活用し、GHG・廃棄物・水のデータ管理を効率化。2025年度の約3,000件から2026年度には約50,000件へとデータ量が10倍以上に増える中、工数を増やすことなく対応できる仕組みを構築しました。

Sime brand mark overlaid on a fast-driving BMW

業界

自動車・産業機器の
小売・流通・サービス
      


所在地

マレーシア
スランゴール州ペタリンジャヤ
 

会社規模

18カ国・地域にわたる従業員約29,000名
約600拠点 

導入ソリューション

企業カーボンフットプリント(CCF)
エネルギー・廃棄物・水ダッシュボード 

主な成果
  • 導入前の状況:Simeのサステナビリティチームは、18カ国・地域、600以上の拠点から集まるGHG排出量データをExcelで管理していました。さらに、算定に使用する24種類の排出係数データベースの更新・管理も手作業で行っていました。
  • ソリューション:Terrascopeは、24種類の排出係数データベースをNGA・IPCC・IEA・DEFRAの4つの主要データソースに集約し、更新やバージョン管理を自動化。Scope 1・2・3のデータ収集もテンプレートを用いて標準化しました。さらに、GHG排出量以外の開示にも対応できるよう、エネルギー・廃棄物・水のダッシュボードをSimeと共同開発しました。
  •  成果: 2025年度の約3,000件から、2026年度には約50,000件へとデータ量が10倍以上に増える見込みですが、工数を増やすことなく対応できる体制を構築しました。排出係数の維持管理にかかる工数もほぼゼロに。さらに、半期単位だったデータを月次で把握できるようになり、データ品質の向上と、意思決定への活用につながっています。こうした業務効率化とデータ活用の高度化により、プラスの投資対効果(ROI)を実現しています。

Simeについて

Simeは、マレーシア・セランゴール州ペタリンジャヤに本社を置き、自動車や産業機器を中心に幅広い事業を展開するグローバル企業です。ブルサ・マレーシアに上場し、18カ国・地域、約600拠点で事業を展開しています。

Simeは、2020年度を基準年にScope 1・2のGHG排出量を30%削減し、2050年までにネットゼロを達成する目標を掲げています。また、オーストラリアのNGER(国家温室効果ガス・エネルギー報告制度)、ブルサ・マレーシアのサステナビリティ報告要件、オーストラリアの気候関連開示基準(AASB S2)など、複数の制度・基準に基づく情報開示にも対応しています。

導入前の状況

Terrascopeを導入する以前、Simeのサステナビリティチームは、24種類の排出係数データベースを参照しながら国ごとに手作業でリサーチ・集計し、Excelを用いてGHG排出量を算定・管理していました。Scope 2のマーケット基準排出量もスプレッドシートで追跡していたため、報告頻度を上げることが難しい状況でした。 Terrascopeの導入前、Simeのサステナビリティチームは、24種類もの排出係数データベースから各国に適した係数を調べ、Excelを使ってGHG排出量を算定していました。Scope 2のマーケット基準排出量もスプレッドシートで個別に管理していたため、集計には多くの手間がかかり、報告頻度を上げることも容易ではありませんでした。

Simeは18カ国・地域、約600拠点で事業を展開し、オーストラリアやマレーシアの報告要件にも対応しています。こうした広範なデータを手作業で収集・管理することに多くの時間を取られ、サステナビリティチームが本来注力したい脱炭素戦略の検討に十分な時間を割けないことが課題となっていました。

「Terrascopeの導入により、GHG排出量を一元的に集約し、一貫した方法で管理できるようになりました。プラットフォームは直感的で使いやすく、サステナビリティの専門知識に基づいたサポートも受けられるため、報告要件への対応から脱炭素化の取り組みまで幅広く活用しています。

新しいプラットフォームの導入にはさまざまな課題もありましたが、Terrascopeのチームと一つひとつ確認しながら進めることで、スムーズに導入することができました。問い合わせへの対応も迅速で、導入から運用まで丁寧にサポートしてもらっています。

今後もTerrascopeをさらに活用しながら、脱炭素化の取り組みを進めていきたいと考えています。」 

Angus Thompson
Sime サステナビリティ&ストラテジー部門
エグゼクティブマネージャー
 


Full Colour

Terrascopeのソリューション

24のデータベースを4つに集約し、排出係数の管理を効率化

Simeでは、GHG排出量の算定に使用する排出係数の管理に多くの工数がかかっていました。24種類のデータベースに加え、企業レポートや公共事業者の開示資料などから国ごとに必要な排出係数を収集し、その内容を確認・更新する作業を毎年繰り返していたためです。

Terrascopeの導入にあたり、まずSimeとともに、算定に必要な排出係数データベースを精査しました。その結果、24種類のデータベースには重複も多いことが分かり、主に以下の4つに集約しました。

 

  1. NGA:オーストラリア政府が公表するNational Greenhouse Accounts(NGA)の排出係数。企業や国レベルのGHG排出量算定・報告に幅広く利用されています。 

  2. IPCC:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提供する排出係数ガイドライン。国や企業のGHGインベントリ算定で世界的に参照されています。

  3. IEA: 国際エネルギー機関(IEA)が提供する、100カ国以上をカバーする国別の電力・エネルギー排出係数。

  4. DEFRA:英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)が毎年公表する換算係数。企業のScope 1・2・3の算定に世界各国で広く利用されています。  

これらのデータベースはTerrascope上で一元管理され、更新やバージョン管理も自動化されています。これにより、次の3つの効果が得られました。

 

  1. 管理工数を大幅に削減:排出係数の更新・管理をTerrascope上で行うことで、Sime側の管理工数はほぼゼロに。個別に対応が必要な排出係数も、ごく一部に絞られました。 

  2. 監査対応を強化:算定に使用した排出係数とその出典をすぐに確認できるようになり、算定根拠を明確に示せるようになりました。  
  3. 年度をまたいだ一貫性を確保:排出係数を一元管理することで、毎年同じルールに基づいて算定でき、年度間の比較や数値の説明もしやすくなりました。

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スプレッドシート管理から、効率的なデータ収集の仕組みへ

Terrascopeの導入前は、部門や年度ごとに異なるスプレッドシートを使ってデータを収集していました。半年に一度の報告に向けたデータの収集・整理に多くの時間がかかり、サステナビリティチームの業務を圧迫。脱炭素戦略の検討に十分な時間を割けないことが課題となっていました。

そこでTerrascopeは、Scope 1・2・3に加え、水・廃棄物にも対応したデータ収集テンプレートを導入しました。入力形式や単位を統一し、アップロード時にデータを自動でチェックすることで、これまで手作業で行っていたデータの整理や修正を大幅に削減しました。Simeの担当者からも、「新しいカーボン算定用ワークブックはレイアウトが分かりやすく、データ入力が簡単になった」と評価されています。

こうした仕組みを整えたことで、工数を増やすことなく、より多くのデータを収集・管理できるようになりました。2025年度に約3,000件だったデータは、2026年度には約50,000件に増える見込みです。データ量が10倍以上に増えても同じ体制で対応できるようになり、サステナビリティチームはデータの整理や確認作業ではなく、排出量の分析や脱炭素戦略の検討により多くの時間を使えるようになりました。

Scope 2(購入電力由来の排出量)の算定もTerrascopeに移行しました。GHGプロトコルに準拠し、ロケーション基準とマーケット基準の両方で算定できます。ロケーション基準では、オーストラリアにはNGA、その他の国・地域にはIEAの排出係数を自動で適用。マーケット基準では、PPA(電力購入契約)やREC(再生可能エネルギー証書)、電力会社との個別契約など、Simeの実際の電力調達状況を反映して算定します。

これにより、再生可能エネルギーの導入による効果も、Scope 2の排出量に適切に反映できるようになりました。

GHG排出量だけでなく、エネルギー・廃棄物・水のデータも一元管理

Simeが事業を展開する国・地域では、上場企業に対するサステナビリティ情報の開示要件が広がっており、GHG排出量だけでなく、廃棄物や水使用量などの報告も求められています。そのためSimeには、GHG排出量の算定だけにとどまらず、こうしたデータをまとめて管理・分析できる仕組みが必要でした。

そこでTerrascopeはSimeと共同で、水・廃棄物のデータを収集・分析する機能を開発しました。専用のデータ収集テンプレートとダッシュボードを活用することで、GHG排出量に加え、エネルギー・廃棄物・水に関するデータも一元的に把握できるようになりました。

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廃棄物ダッシュボードでは、廃棄物の総発生量を年度ごとに把握できるほか、処分を回避したものと処分したもの、有害・指定廃棄物と非有害・一般廃棄物に分けて確認できます。さらに部門別に詳しく見ることで、廃棄物の発生量が多い部門を特定できます。

水ダッシュボードでは、水道水、地下水・井戸水、表流水・再生水など、水源別の取水量を期間や部門ごとに把握できます。

エネルギーダッシュボードでは、エネルギー消費量全体と、そのうち再生可能エネルギーが占める割合を可視化。系統電力、購入した再生可能エネルギー、自家発電などのエネルギー種別や部門別に内訳を確認し、年度ごとの変化や再生可能エネルギー導入の進捗を把握できます。

これらのダッシュボードにより、Simeの経営層はGHG排出量だけでなく、廃棄物、水、エネルギーといった環境データも四半期ごとに確認できるようになりました。ブルサ・マレーシアへの情報開示に対応するとともに、社内のサステナビリティに関する意思決定にも活用されています。

エネルギー・水・廃棄物も、ひとつのプラットフォームで

GHG排出量管理と同じ基盤で、エネルギー・水・廃棄物データも一元管理。スプレッドシートから脱却し、開示対応から経営判断まで効率化します。

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今後の展望

これまで数カ月にわたって集中していたデータ収集や集計作業を年間を通じて分散できるようになり、サステナビリティチームは脱炭素戦略の検討やステークホルダーとの連携に、より多くの時間を使えるようになります。

半期ごとに手作業でデータを集計する運用から、必要なデータを継続的に把握・活用できる仕組みへ。Terrascopeの導入によって、Simeはデータ収集・管理の負担を減らすだけでなく、得られたデータを分析し、次のアクションにつなげられる体制を整えました。

 

 

導入効果 

  • 排出係数の管理工数をほぼゼロに: 24種類のデータベースをNGA・IPCC・IEA・DEFRAの4つの主要データソースに集約。更新やバージョン管理をTerrascope上で自動化し、Sime側での継続的な管理作業をほぼ不要にしました。

  • エネルギー・廃棄物・水のデータも一元管理: 廃棄物の発生量や処理状況、水源別の取水量、エネルギー種別ごとの消費量を専用ダッシュボードで可視化。GHG排出量だけでなく、幅広い環境情報の開示に対応できるようになりました。

  • データの信頼性を高め、意思決定にも活用 :データのチェックや管理の仕組みを整えたことで、報告データの信頼性が向上。さらに、収集したデータを脱炭素に向けた施策の検討にも活用できるようになりました。業務の効率化とデータ活用の両面で効果が生まれ、投資に見合う成果につながっています。

 

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